ラプラスの悪魔

ある瞬間の全物質の位置と運動量を知り、それを解析しきる知性が存在すれば、その知性には未来も過去もすべて見通せる、とする思考実験。物理学者ラプラスに由来し、古典物理学に基づく決定論の象徴とされる。

動画 HXnw_SF6yO8 では、ベルクソンが決定論の相手として取り上げる科学的決定論の代表例として登場する。ベルクソンが直接相手取るのは当時最新のエネルギー保存則だが、専門家でなければラプラスの悪魔をイメージすればよいとされる。ベルクソンは、強度・運動・時間がいずれも「質と量」「継起と同時性」の妥協にすぎず、純粋持続はそこに含まれないと論じて、この決定論の射程の外に自由の余地を残す。

意思に脳活動が先行するリベットの実験や、決定論の信念がモラルを下げるとするdeterminism-and-moral-behavior、自由を衝動の拒否に求めるfree-will-vetoと同じ、自由意志をめぐる問題圏に属する。