空(くう)
仏教、とりわけ禅が中心に置く概念。あらゆる事物は固定した実体を持たず、関係の中で仮に成り立つにすぎないとする見方。動画 huCn3KZxgdA では、井筒俊彦『意識と本質』に即して、言葉による分節化で与えられた輪郭(レッテル)を、禅問答や座禅によって外し、ぐっちゃんこなカオスそのものに立ち返ろうとする東洋の道として説明される。
座禅は思考を停止して無意識にアクセスする営みの最終形態とされ、根源や本質さえ人間の意識が作り出したフィクションとみなす点が、無意識の真相に万物の根源を見る朱子学の理学とは対照的。空を土台にすると無が有へ転じるダイナミズムが生じ、縁起という概念もこの空を土台にする。
意識を構成的・後発的なものと見る点で、受動意識仮説と仏教の無我の議論と関心を共有する。