科学の集合的予測符号化モデル (cpc-model-of-science)
科学という営みそのものを 集合的予測符号化として捉えるモデル。略称 CPCMS(Collective Predictive Coding Model of Science、末尾の S は science)。KNLVle8EQyw で論じられる。
科学者 A が実験で世界の情報を得て自分の仮説・モデルを更新し、論文や学会発表で科学者 B に伝える。B は査読で受理(アクセプト)/却下(リジェクト)を判断する。この受け入れ/拒否の構造は第1回の 名付けゲームと同型で、対象が「呼び名」から「世界の認識」に変わっただけ。
導かれる科学観:
- 科学は神の視点の絶対的真理を追うのではない。個人のバイアスはコミュニケーションで除けるが、コミュニティ全体で共有するバイアスは残る
- 個々人が異なるバイアスを持つことはむしろ良い。多様性が全体のバランスを取り、客観性を担保する
- 科学は正しさの検証ではなく、新しい探索を生み続ける仕組み(=予測誤差を食らう)。科学自体が人間を手足に世界を探索する生命のような系
AI を別種のバイアスを持つエージェントとして科学に参加させれば、バイアスの偏りを減らし大規模な探索ができる。一方で AI の仮説が人間と違いすぎると既存の科学が崩壊しうる(アラインメント問題)。囲碁 AI が定石を変えた例が引かれ、人間に合わせすぎても旨味がなく、違いすぎても役に立たないトレードオフがあるとされる。