量子脳理論(Orch-OR)

ロジャー・ペンローズスチュアート・ハメロフが提唱する意識の理論。人の意識はニューロン間の神経伝達という古典的な情報処理だけでは説明できず、神経細胞内の微小管(マイクロチューブ)で起きる量子効果に由来するとする。

微小管はチューブリンという二量体タンパク質が螺旋状に連なった直径20〜30nmの管で、伸び縮みする。仮説では、この「伸びた状態」と「縮んだ状態」が観測前には量子重ね合わせ(量子揺らぎ)にあり、脳がこの重ね合わせを使う量子コンピューターのように思考を作るとする。

主な批判は「微小管を構成するタンパク質は素粒子よりはるかに巨大なので、脳のような暖かく湿った環境で量子効果(量子コヒーレンス)は維持できない」というもの。これに対し動画では、フラーレン(C60)の二重スリット干渉や、クマムシ体内での量子もつれ生成など、大きなスケールでも量子効果が確認された例を反論材料に挙げる。

量子の重ね合わせや観測問題と意識を結ぶ発想で、ホログラフィック宇宙論や「意識が量子状態を決める」という見方にもつながる(see QaQOxHRSLfU)。意識を脳の物質的・機能的な働きから説明しようとする点は受動意識仮説と関心を共有するが、こちらは量子力学に基礎を置く点で大きく異なる。