関西の難読地名 (と、それは関西特有でない論)
RFIb4FE3C-I のお便りクイズで紹介される関西の難読地名と、それを「関西の選民思想で残った」と見るのは誤りだという論。
紹介された地名
- 京終 (きょうばて、奈良): 終を「果て」と読み、連濁を経て「きょうばて」
- 水走 (みずはい、東大阪): 走→「はい」は onbin (S 脱落) で説明可能
- 喜連瓜破 (きれうりわり、大阪): 4文字に見えるが6音節、重箱読み+湯桶読みが混在
関西特有でない反証
水野の整理: 難読地名は関西だけにあるわけではない。
- 沖縄: 谷=「タン」(山原ヤンバル、北谷チャタン)
- 鹿児島: 南風原ハエバル
- 北海道: アイヌ語起源の当て字(倶知安クッチャン=「冠を取った」)
これらは「中央が定めた読み」と「地方の本来の読み」がコンフリクトしているだけで、どちらが正しいわけでもない。
渋谷の「谷」も実は方言
決定打: 標準語そのものの中にも方言的読みは混入している。渋谷の「谷=ヤ」は東日本方言由来。
- 「谷」の音読みは黒・ロク
- 「ヤ」は関東〜東北の古い方言「ヤチ(谷地)」の短縮形
- 関東基準の標準語化で「タニ/ヤ」の二重読みが正規化された
つまり関西の難読地名が際立つのは、関東方言を標準語にしたことの副作用。関西の選民思想ではなく、むしろ関東の選民思想によって他地域の地名が相対的に難読化している、と読める。
関連
onbin で S 脱落の例示として水走を扱う。shibuya-no-ya (もし作るなら) は本ページの「渋谷の谷」セクションを分離した派生概念。