現代日本語ラ行の L 化

日本語のラ行子音は伝統的には弾き音(舌を上歯茎にぱっと当てて離すフラップ)であり、英語の R(舌持ち上げ)とも英語の L(舌を前歯に固定して側面から出す)とも異なる。

しかし現代の若い日本語話者の一部はラ行を実質英語の L 型で発音している、という観察が RFIb4FE3C-I で扱われる。

典型例

yonezu-kenshi「感電」冒頭の「夜の往来」が「夜のオライ」と L 発音になっている。「失ったつもりもないが」の「四輪車」も L 寄り。日本語話者によくある「滑舌が悪く聞こえる」印象の正体の一つが、この L 化だと指摘される。

弾き音とL の違い

  • 弾き音: イヤホンでノイズキャンセリングして「ラ」と発音すると、口の中で「ペタペタ」というフラップ音が聞こえる
  • L: 舌が前歯につく接触音、側面からの音

弾き音は日本語ラ行の本来の調音だが、L はそれより舌の運動が小さいため発音が楽。これが L 化が広がる音韻論的な動機の可能性。

五十音への含意

gojuon-phoneme-augmentation の文脈では、ラ行とは別に L を独立音素として追加することは、米津玄師のように L 化している話者にとって「往来=オライ(L)」と「オーライ(別の意味になる)」が衝突する可能性を生む。実用面では追加が難しい。

サ行の TH 化 (関連仮説)

かつて「若者がサ行を TH で発音している」という観察があったが、現在では追認されていない。日本語の歯擦音変化に関しては安定していると見られる。