ボルツマン脳
物質がランダムに集まった結果、偶然にも一瞬だけ人間の脳とまったく同じ形になったもの。物理学者ルートヴィヒ・ボルツマンにちなむ思考実験。きわめて起こりそうにないが、十分に広い時空ではいつかは起こりうるとされる。もしそうなら、自分も一瞬だけ生じて体験のコピーを得て、すぐ壊れて元のカオスに戻るボルツマン脳かもしれない。
動画 8uc1uzq2PRc で山口が、シミュレーション懐疑の固有性を浮き彫りにする対比として持ち出す。ボルツマン脳のような自然発生的な存在なら、なぜこの世界(自分)があるのかは「たまたまそうなった」で済み、生み出された意図を問う必要がなく気持ち悪さも生じない。
これに対し、意図を持つクリエイターが作ったシミュレーションだとすると、その意図が分からないことが不愉快の源になる。だからこそシミュレーション懐疑の核心は「クリエイターの意図の不可知性」にあり、「世界はシミュレーションだ」という主張はクリエイターが誰かの主張とセットであるべきだ、という山口の結論を支える(see 8uc1uzq2PRc)。